異臭味の原因物質とわ

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異臭味原因物質
水道水の品質は健康と生活の質に直結しており異臭や異味が発生することは重大な問題です。異臭味の原因物質は多岐にわたりますが、主に自然由来のもの配管や貯水施設の劣化によるもの、そして人為的な汚染が挙げられます。以下に、水道水の異臭味の原因物質とそのメカニズムについて詳述します。
自然由来の原因物質
有機物の分解:
・腐植物質: 水源となる河川や湖沼には落ち葉や枯れ枝などが含まれており、これらが分解されるとフミン酸やフルボ酸などの腐植物質が生成されます。これらの物質は水に黄色や茶色の色をつけ異臭や異味を引き起こします。
・藻類の分解: 水源中の藻類が大量発生し、その後分解されることでジオスミンや2-メチルイソボルネオール(2-MIB)といった物質が生成されます。これらは土臭さやカビ臭さの原因となります。
微生物の活動:
・バクテリアとカビ: 水源や配管内でバクテリアやカビが繁殖すると、その代謝産物が水に異臭味を与えることがあります。特にアクチノバクテリアという細菌は土臭さの原因として知られています。
配管や貯水施設の劣化による原因物質
金属の溶出:
・鉄とマンガン: 古い鉄管やマンガンを含む鉱物が水に溶け出すと金属臭や変色(赤褐色や黒色)が発生します。これらの金属は酸化されることで不溶性の酸化物となり沈殿物として水中に現れます。
・銅: 銅管の腐食により、水が青緑色に変色し金属味が発生することがあります。特に酸性の水や塩素が多く含まれる水では銅の溶出が進行しやすいです。
・PVC(ポリ塩化ビニル)やプラスチック素材の劣化:
プラスチック管や貯水タンクが劣化するとプラスチック特有の臭いや味が水に移行することがあります。これらは通常、劣化した素材の断片が水に溶け出すことで発生します。
人為的な汚染による原因物質
農薬や化学物質の流入:
・農薬: 農業地域では、農薬が雨水や地下水を通じて水源に流入することがあります。これにより水が薬品臭や苦味を帯びることがあります。
・工業廃水: 工業廃水には多くの化学物質が含まれており、これらが水源に流入すると溶剤臭や石油臭などの異臭味を引き起こすことがあります。
塩素消毒の副産物:
・クロロホルムなどのトリハロメタン(THM): 水道水の消毒に使用される塩素が水中の有機物と反応するとクロロホルムなどのトリハロメタンが生成されます。これらはカルキ臭と呼ばれる特有の臭いを引き起こし高濃度では健康リスクを伴うことがあります。
異臭味の検出と対策
検出方法:
・官能検査: 人間の嗅覚と味覚を使って水の異臭味を評価します。これは迅速かつ簡便ですが個人差があるため訓練を受けたパネルが使用されます。
・化学分析: ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)などの高度な分析機器を使用して異臭味の原因物質を定量的に測定します。
対策:
・水源保護: 水源の周辺での農薬や化学物質の使用を制限し適切な保護対策を講じます。
・浄水処理: 活性炭吸着やオゾン処理などを用いて有機物や異臭味の原因物質を除去します。活性炭は特に有機物の吸着に優れており広く使用されています。
・配管の更新: 劣化した配管や貯水タンクを定期的に更新し異臭味の発生を防ぎます。
・消毒方法の見直し: 塩素消毒の代わりに紫外線消毒やクロラミン消毒を導入することでトリハロメタンの生成を抑制します。

●まとめ:
水道水の異臭味は多岐にわたる原因によって引き起こされますが主な要因は自然由来の有機物や微生物の活動、配管や貯水施設の劣化、人為的な汚染です。異臭味の検出には官能検査と化学分析が用いられ、対策としては水源保護、浄水処理、配管の更新、消毒方法の見直しが考えられます。これらの対策を講じることで水道水の品質を高め安心して利用できる水を供給することが可能となります。



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